看護部概要

看護部長からのメッセージ

看護部長 植田 香織

公立みつぎ総合病院は、急性期医療、疾病の予防と治療、リハビリテーション、施設・在宅ケア、さらに福祉サービスを含む地域包括医療・ケアを提供しています。看護部では病院の理念である「地域包括ケアの実践と地域包括ケアシステムの構築及び住民のための病院づくり」に基づき、「全人的看護の実践」を看護理念としています。看護の専門性を高め、患者中心の質の高い看護を実践すること。人間としての生命の尊厳と権利を尊重し、信頼される心のこもった看護を提供すること。地域住民のニーズに応じた継続看護を提供することを基本方針とし、良質な看護を提供することで、地域の皆様から親しまれ信頼されるよう、日々努力しています。
私たち看護部は患者様の最も身近な存在として、医師や多職種との連携を図り、チームワークの起点となることで、患者様やご家族の支えになりたいと考えています。
今後も保健・医療・介護・福祉の連携を密にし、住民の方々が住み慣れた地域で安心して、その人らしい自立した生活を送って頂けるように、チーム医療の充実を図っていきます。そして、地域の方々に愛され信頼される看護師の育成に努めてまいります。

看護部の理念

「全人的看護の実践」

全人的看護とは、身体、精神、社会及び倫理を含む個人に関する全ての側面から患者ニーズを捉えて看護を提供することです。

-基本方針-
  1. 看護の専門性を高め、患者中心の質の高い看護を実践します。
  2. 人間としての生命の尊厳と、権利を尊重し信頼される心のこもった看護を提供します。
  3. 常に地域住民との連携を密にし、ニーズに応じた継続看護を提供します。

平成22年4月1日改定

看護部の目標

豊かな人間性と高い専門性を持ち、患者中心の看護を提供します。

看護体制

看護基準

10対1 看護

看護単位

7単位(2交替制)

職場紹介

ICU

ICUは第2病棟42床のうちの10床です。
ICUでは、生命の危機状態にある患者様や手術後の管理が必要な患者様、また継続的な状態観察が必要な患者様などを受け入れています。生命の危険にさらされている患者様やコミュニケーションをとることのできない重症の患者様など、それぞれの状態に合わせたケアを計画し、感染や事故防止に努めながら安心・安全な看護を提供しています。
また、患者様の苦痛や不安をできるだけ少なくするだけでなく、突然の発症や急な状態変化によるご家族様の動揺や不安に対して精神的なサポートをしていきたいと思っています。
患者様の回復される姿を励みに、スタッフ一同自己研鑽に努め、笑顔とチームワークの良さで日々頑張っています。

6病棟(医療療養病棟)

療養病床は、急性期の治療を終えた慢性期の状態で、引き続き入院治療の継続が必要な患者様が入院されています。疾患や看護ケア、ADL状況など、医療の必要度に応じ、医療区分が設定されています。
ベッド数23床で看護師、准看護師、介護福祉士が配置されています。定期的にカンファレンスを開催し、看護計画を立案して、リハビリスタッフや管理栄養士、社会福祉士、歯科医や歯科衛生士と協働して、安心・安全に看護・介護ケアを提供することを病棟方針として、職員一丸となり頑張っています。

第7A病棟、第7B病棟(回復期リハビリ病棟)

脳血管疾患または大腿骨頸部骨折等を生じた方に対し、日常生活能力の向上及び在宅復帰を目的としたリハビリを集中的に行う病棟です。医師をはじめ看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・介護福祉士・管理栄養士・薬剤師・歯科衛生士・ソーシャルワーカーなどの専門職がチームを作り、共同でご本人にみあったプログラムを作成して実践しています。ご本人の状態や家庭環境を踏まえて、病棟内の専門職によるスタッフカンファレンスと、ご本人やご家族を含めたカンファレンスを行い、ご本人を中心に関わる全ての人が目標を統一させた上でリハビリを実施し、早期に退院して、在宅におけるご本人の自立支援を目指しています。

第8病棟(緩和ケア病棟)

平成14年4月より5床で発足し、現在は6床という日本一小さな緩和ケア病棟です。
私たちは家庭的な温かみのある雰囲気を大切にして患者さまやご家族のニーズに合わせたきめ細やかなケアを目指しています。
患者さまやご家族が共に快適な時間を過ごしていただけるよう、チームスタッフ全員でお手伝いさせていただきます。

手術室

当院の手術室では、主に外科・泌尿器科・脳外科・整形外科・皮膚科の手術と内科の心臓カテーテル検査・治療を行っています。中でも外科・泌尿器科では腹腔鏡を用いた鏡視下手術では、手術創(手術で皮膚を切ることで出来る傷)が小さいため、術後の痛みが通常の手術より軽く済むことが多く、術後の回復が早い、体にかかる負担が少ない等、多くの利点があります。また、術後の回復が早いため、通常の手術に比べて入院期間が短縮され、早期社会復帰が可能な場合が多いのも特徴です。
前年度より外科医師の増員により、鏡視下手術をはじめ手術件数が増加しています。これに対応するために、熟練した知識と技術を必要とし、日々最新の情報を共有し、勉強会や研修会を行い研鑽しています。
手術を受けられる患者さまへは術前・術後訪問を行い、安心して手術が受けられるように不安や苦痛の軽減に努めています。訪問による患者様からの情報を共有し、よりよい周術期看護の充実を目指しています。

透析室

人工透析室は血液透析を中心に各種血液浄化療法や緊急時にも対応できる体制をとっています。
スタッフは医師、看護師、臨床工学技士、看護補助者ですが、薬剤師、管理栄養士、理学・作業療法士、ソーシャルワーカー等多職種が連携・協力し包括的な治療・ケアを提供できるように取り組んでいます。

透析時間
月・水・金 1クール8:30~ 2クール13:00~
火・木・土 1クール8:30~

臨時透析(旅行透析)をご希望の方へ
旅行、出張、帰省などで尾道市近隣へお越しの患者様の受け入れを行っています。
ご希望の方は1~2週間前までにお電話にてご相談下さい。

専門性の高いスタッフの紹介

看護の質の向上に貢献してもらっています。
今後も看護部では意欲ある方の支援をしていきます。

感染管理認定看護師 (日本看護協会) 中材・手術室 緒方哲幸

わたしは、2013年に感染管理認定看護師の認定を受けました。中材・手術室に勤務し、兼任で感染対策活動を行っています。
感染管理は組織横断的な活動が必要であり、各部署との連携が重要です。更に、施設で感染対策を効率的に実施するには、全員が感染対策に参加する事が必要です。それによって、患者さまや家族、職員を感染から守ることが可能であり、自分自身も守ることになります。 全員参加の感染対策を目標にしています。
職員が感染対策に関して、「知っている」から、少しでも「実施できる」ことを目指して、研修会やコンサルテーションを行っています。
また、院内感染対策チームで毎週、ラウンドを行い感染対策への意識を向上させます。職員の皆さんの参加で、感染対策活動を活発に実施していけると考えています。

NST専門療法士 (日本臨床栄養代謝学会)
摂食・嚥下障害看護認定看護師 (日本看護協会) 第7A病棟 大河智恵美

2008年 NST専門療法士を取得、2011年に摂食・嚥下障害看護認定看護師の認定を受けました。それぞれに5年毎の更新を行っています。
摂食・嚥下障害看護認定看護師は摂食・嚥下機能の評価および誤嚥性肺炎、窒息、栄養低下、脱水の予防と適切かつ安全な摂食・嚥下訓練の選択および実施を使命とし、専門的な知識・技術を基に水準の高い看護実践と看護職に対しての指導、相談を行っています。今まで多くの患者様に関わらせて頂きました。入院中だけでなく、退院後の支援も重要であると感じています。今後も患者様やご家族様に真摯に向き合いながら、関わっていきたいと思います。

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 (日本看護協会) 地域包括ケア連携室 室谷伸子

私は、2014年に脳卒中リハビリテーション看護の認定を受けました。
脳卒中は生命を脅かすだけでなく意識障害、運動麻痺、言語障害、認知障害など様々な後遺症を残す病気です。当院では、急性期病棟から回復期リハビリテーション病棟、さらに在宅まで継続したケアができるように、医師、看護師、リハビリスタッフ、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカーなど様々な職種のスタッフが連携を図っています。
認定看護師として専門的な知識・技術により、できるだけ重篤化を避け、合併症を予防していくよう援助していきます。多職種と協働し、入院時から在宅を見据え、患者様がその人らしさを失わず生活できるように生活を再構築するための支援をします。また、突然の発症は患者様、ご家族にとって大きなショックであり、それまでの生活も一変してしまいます。患者様やご家族の思いを受け止め、必要な支援が受けられるように調整していきます。

皮膚・排泄ケア認定看護師 (日本看護協会) 第2病棟 内田真奈美

皮膚・排泄ケア認定看護師の役割として、障害を起こした皮膚並びに、皮膚障害の高い脆弱な皮を理解し低下した生理機能を補うスキンケアを中心に、褥瘡などの創傷管理やストーマ造設にともなって生じる患者の身体的・精神的・社会的問題を的確に把握し、専門性を生かした看護の提供や、失禁などの排泄管理、患者・家族の自己管理及びセルフケアの支援を行っていきたいと思います。

主な活動

  1. 実践:ストーマ外来では、手術を受けストーマ造設をされた患者さんが安心した日常生活を快適に過ごせるサポートをさせていただきます。ストーマ造設患者さんは入院中から退院後の生活を見据えたケアができるように病棟スタッフと共に継続的なかかわりをすることで、ご家族と一緒に自宅でのケア方法やサービスがスムーズに導入できるように整えていきたいと考えています。また、褥瘡ケアチーム、失禁ケアチームの一員として、組織横断的に活動できるように病棟スタッフと、連携を図り、共に根拠のあるケアの提供を考えていきたいと思っています。
  2. 指導:創傷ケアでは、褥瘡などの傷が治りやすい療養環境を整えるために寝具の選択適切な治療材料の選択などのアドバイスや、高齢者の脆弱な皮膚のスキンケア方法のアドバイスを行います。
  3. 相談:院内の看護師や併設の福祉施設からのケアについて皮膚・排泄ケア領域に関する意見を求められた時に、患者の問題解決に向けて、他の保険医療チームメンバー情報交換を行い、相談・調整を行っていきます。

NST専門療法士(日本臨床栄養代謝学会)
摂食・嚥下障害看護認定看護師(日本看護協会) 第3病棟 西丸典江

私は2014年にNST専門療法士を取得し、2016年に摂食・嚥下障害看護認定看護師の資格を取得しました。
摂食嚥下障害の原疾患は、脳血管疾患、神経筋疾患、精神疾患、認知症、頭頸部癌など多岐に渡ります。また、加齢や薬剤によっても摂食嚥下障害が惹き起こされます。摂食嚥下障害により脱水、栄養障害、誤嚥性肺炎、窒息など生命の危機に直結することも少なくありません。このように、摂食嚥下障害を有する患者様は多く、病院内だけではなく、施設、在宅でも生活しています。摂食嚥下障害患者への関わりは、看護師だけでなく、医師、歯科医師、薬剤師、リハビリスタッフ、管理栄養士、歯科衛生士など多職種が協働することが重要となります。統一したチームアプローチはもちろん、入院時から退院後の生活を見据えた関わりを実践していきたいと思います。
「食べる」ことは人間の基本的欲求の1つであり、日常の大きな楽しみの1つでもあります。たとえ摂食嚥下障害があったとしても、患者様・御家族の「食べたい」「食べさせたい」という想いを尊重し、摂食嚥下障害に悩む患者と家族に最善・最良のケアが提供できるよう取り組んでいきます。

感染管理認定看護師  第3病棟 竹本 敦

私は、2022年に感染管理認定看護師の認定を受けました。現在は病棟勤務を行いながら感染管理活動を行っています。
感染管理は組織横断的な活動が必要であり、各部署との連携が重要です。感染管理の目的は、患者様やご家族、病院職員などの病院に関わる全ての人々を感染症から守ることで、良質な医療とケアを患者様に提供することに加え、職員の健康を守る環境を整備・維持に努めることです。
病院内には様々な病気や感染症を保有している患者様もおり、その他の患者様や病院職員に感染防止のための感染対策を行う必要があります。その為には勉強会や研修を行い、病院職員の知識、技術の向上が必要になります。病院職員と協力し感染管理活動を行っていきます。

そのほかの専門性の高いスタッフの紹介をします。

透析技術認定士 (透析療法合同専門委員会)
認知症ケア専門士 (日本認知症ケア学会)
地域包括医療・ケア認定看護師 (国民健康保険診療施設協議会)
日本糖尿病療養指導士 (日本糖尿病療養指導士)
ICLSインストラクター (日本救急医学会)
回復期リハ看護師 (全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会)
介護支援専門員 (広島県医師会・広島県看護協会・社会福祉協議会)
臨床高気圧酸素治療装置操作技師 (日本高気圧酸素・潜水医学会)
消化器内視鏡技師 (透析療法合同専門委員会)
リンパ浮腫指導技能者 (リンパ浮腫指導技能者養成協会)など

学校教育への貢献

実習の受け入れ

広島県立広島大学保健福祉学部看護学科 老年看護
福山平成大学看護科 老年看護学 在宅看護学
広島文化学園大学大学院 看護学研究科
日本赤十字広島看護大学 摂食・嚥下障害看護認定看護師
看護学生は老年期にある人々を特徴を理解した上で看護実践について学習し、保健・医療・介護・福祉の連携について学びます。
受け入れ病棟では実習指導者やスタッフで看護学生の学習を援助し、あたたかく見守ると共にスタッフ自身も良い刺激を受けています。

施設見学の受け入れ

  • 広島市立看護専門学校
  • 福山平成大学看護学部
  • 広島国際大学看護学部
  • 岩国YMCA国際医療福祉専門学校
  • 厚生連尾道看護専門学校
  • 呉医療センター附属呉看護学校 など

高校生ふれあい看護体験

毎年5月12日の「看護の日・看護週間」の行事の一環として「ふれあい看護体験」を実施し、御調高校生、尾道北高校生、呉武田高校生などが参加されています。
まず、当院作成DVD「寝たきりゼロ作戦と保健、医療、福祉の統合」での学習後、看護衣に着替えて施設見学しました。看護業務体験では体温・脈拍・血圧測定、車いす介助、患者さんとのふれあいなどを行い、リハビリ室では高齢期障害体験もしました。
白衣での患者とのふれあいはまるでやさしい新人看護師と見間違えるようでした。

中学生の職場体験学習

毎年8月に5日間御調中学生6名が参加されています。
進路を選択するには職業を知ることからということで看護部だけでなく、薬剤部、リハビリ部、栄養管理室、放射線室、検査室、歯科診療室、手術室などで体験学習をしました。
各部門でさまざまな体験ができて最終日には笑顔で大満足でした。

インターンシップ

高校3年生が、1~2日間に渡り看護体験をされています。働くことの意義や自立することの大切さ、働くことの厳しさなど、生徒自身の就きたいとする職業について、理解を深め、主体的に職業選択ができる能力を育成するためのものです。新人看護師さながらの指導を受け、終了時には「ますます看護師になりたくなりました」とのコメントが返ってきています。